成長したニホンイシガメやクサガメを飼育していると夏になると産卵することがあります
屋外で飼育していれば土の中に産卵しますが水槽などで飼育していると仕方なく水の中に産んでしまうことも…
しかし水中に産んでしまった卵でも一発でアウト…ではなく助かる場合もあります
そんなカメの卵を人工的に孵化させる方法を紹介します
カメの産卵
水中に産卵
まず『水中に卵があったら…上下を変えず水から出して転がらないように固定』してください
産卵する環境が整っていないと水中に産んでしまう場合がありますが水中では卵が死んでしまいます
すぐに死んでしまうわけではないようなので見つけたらすぐに水から出してください
この時の注意点は卵の上下を変えないようにすることです。水から出してからも転がって上下が逆になってしまわないように固定します
わかりやすくするために卵を軽く拭いてからマジックで上下がわかるように印をつけるようにしてください
水の中に産んでしまっているのでもし有精卵だったとしてもこれで助かるかはわかりませんが,卵の上下が逆になってしまわないように固定できたら↓下の「 孵化容器の準備 必要な物 」を見てこれから必要になるものを準備してください
土に産卵
庭飼育で土に穴を掘って産卵したのなら子亀が孵化するまでに卵が埋まっている地面のまわりをしっかり囲って,孵化した子亀が他の大きなカメに食べられたりどこかへ行ってしまわないようにします
大きなカメは子亀を食べてしまうので庭飼育の場合は十分注意を!
子亀が土の中から出てきたのを確認したら,1日くらい間をあけてからゆっくり慎重に指で掘り進めて土の中を確認してみてください。取り残された子亀がいるかもしれません
なので指は痛いかもしれませんが絶対にスコップなどは使わずに!!素手です
カメの卵を掘り出す
卵はできるだけそのまま,もし掘り出すならかなり慎重に
多少地面が固くても子亀は地表に出てくるので,土に産卵したらできることなら下手に触らず孵化までそのままにしておいた方がいいですね
しかし,どうしても掘り出した方がよさそうな場所に産卵してしまった場合は仕方ないですが慎重に掘り出しましょう
この記事を書いていて…子どもの頃,無謀にもクサガメの卵を掘り出そうとして失敗し何個も割ってしまったことを思い出しました
(今思うと,子どもの頃の自分…なんで自然孵化するのを待たずに掘った??!そしてその後どうするつもりやった?)
まぁそれはおいといて…(それにしても無謀)
とにかく,どれくらい掘ったら卵があるのかはなかなかわからず力の加減も難しいものです。もし掘り出すなら本当に少しづつそっと素手で掘らないと簡単に割れてしまうので注意してください
孵化容器の準備 必要な物
まず卵を土から掘り出す前に次のものを先に用意しておいてください
- プラスチックのケースやタッパー
- 水苔 (ミズゴケ)かバーミキュライト
- ラップ
用意ができたらプラスチックのケースやタッパーなどに湿らせた水苔かバーミキュライト(びしょびしょにしない)を敷いて卵が転がらないように少しくぼみをつくっておきます
準備はこれで完了です。水から卵を取り出した場合は↓下の「カメの卵を孵化容器に移したら 」から読んでください
カメの卵を掘り出す時の注意点
卵を掘り出すわけなので当然ゆっくり慎重に。スコップなどは使わずなるべく素手で掘ってください…浅いところくらいは大丈夫だとは思いますが念のため
卵のあるところまで掘り進めることができたら取り出すことになりますが,卵の中で発生している胚が卵黄に押し潰されてしまうので卵の上下(向きを)変えないようにしてください
(水中にあった卵を取り出す時と同じです)
これからは向きはずっとそのままにして一度も変えないようにします
向きを間違えないようにするために取り出す前にマジックで卵に印をつけます。印が上になっている状態のまま用意しておいたケースに移してください
印がついていればこれから世話をする時に間違って動かしてしまっても上下がわからなくなることがありません
(自分は「卵の殻とは言えマジックなんか使って大丈夫か…?」と心配でしたが使っても問題なく孵化しました)
カメの卵を孵化容器に移したら
孵化容器に移した卵は水苔などに完全に埋める必要はありません。半分くらい埋める(隠れる)だけで大丈夫です
卵をセットしたら孵化容器にラップをかけます。ラップには小さい穴をいくつかあけておいてください
初めて人工孵化をさせる時,こんなシンプルなセットで大丈夫なのか…と心配でしたが問題なく孵化させることに成功しました
カメの卵の世話
水苔(バーミキュライト)が乾いてきたら霧吹きで湿らせます
カラカラに乾燥させ過ぎるのも,びしょびしょに濡らし過ぎるのもよくないので注意してください
保管場所としては室温は25℃~33℃くらい,直射日光の当たらないところで暗くして保管します
産卵する時期は夏なので室温が33℃を超えることもよくあります。昼間,室温38℃くらいになってしまうような部屋で孵化容器に入れたクサガメの卵を複数孵化させた経験もあるので多少(?)暑くても大丈夫なようですが…ほどほどにしておいた方がいいと思います
カメの卵が有精卵なら
卵がもし有精卵なら何日かたつと「白濁」と呼ばれる卵の真ん中が濃い白に変わる現象が起こります
何日かたって白濁がはっきりわからなくても有精卵の場合もあるようなので,すぐあきらめず少し様子を見た方がいいでしょう。しかし卵がへこみだしたら孵化する可能性は低いです
メスだけでも有精卵の可能性あり
飼っているカメがメスだけだったとしても実は有精卵を産む可能性があります
メスのカメは体内に精子を残しておくことができるので,1匹だけで飼育していても何年か前までオスのカメと一緒にいた場合は数年程はその精子を使って有精卵を産むことが可能です
なので「今は」1匹しか飼っていないから産卵しても無精卵だとは言い切れません。これは「遅延受精」と呼ばれカメの精子の生存期間が長いために可能なことだと言われていて,この遅延受精は数年程可能と言われています。
自分の経験では,一緒に飼っていたオスとメスのニホンイシガメをそれぞれ分けて飼育しても3年間有精卵を産み続けました
カメの卵 孵化までの期間
種類にもよりますがニホンイシガメやクサガメは約2ヶ月ほどで孵化します
必ずではないですが孵化してすぐは腹甲に卵黄が残っている場合もあるのですぐには水に入れずに何日か様子を見ます
まとめ
卵を扱う(孵化させる)時に特に大事なことは
- 水中に産んでしまった場合は見つけしだい取り出す
- 卵の上側に消えないように印をつけて上下を変えない
この2つです
はじめて卵孵化に挑むという場合はかなり気になるとは思いますが必要以上にいじくり回さないように気をつけましょう
以上,カメの卵の孵化のさせ方の紹介でした
産卵の時期や卵の数など気がになる場合はこちらの記事を参考にしてください
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