カメの飼育容器の中に甲羅干し用の陸地になるものは置いていますか?
水に棲むカメ(ニホンイシガメ,クサガメ,ミドリガメなど)にとって甲羅干しはとても重要です
甲羅干しをすることでできることは
- 体温の上昇
- 体内でのビタミンD3の合成
- 病気の予防
間違った陸地を置いていると甲羅干しができずにカメは皮膚病などの病気になってしまいます
ではどんな陸地が病気のもとになる酷い陸地なのか
カメを20年以上飼育してきた自分が「これはないやろ…」と思う酷い陸地を5つ紹介します
カメの飼い方 酷い陸地5選
水棲ガメの飼育にふさわしくない酷い陸地はこの5つです
- 陸地が水の中に沈んでいる (論外)
- 陸地がぬれている (水がしみている)
- 陸地が小さい (中途半端)
- ライトがない 日光も当たらない (論外)
- 角度が急で登れない (登れると思う?)
心当たりはありませんか? 心当たりのある方は病気のもとになるのでカメのためにすぐに改善してください
これからカメを飼おうか考えている方はこれをマネしないようにしてください
ではひとつづつ紹介していきます
陸地(??)が水の中に沈んでいる
ちょっと信じられないんですがこういう飼い方を時々ネットで見かけます
これは完全に論外ですね
その陸地(陸地なんて言えるものじゃないですが)にカメが乗ればある程度甲羅は水から出ますが腹甲と脚などの皮膚はどうですか?
水の中ですよね?
「甲羅干し」と聞くと「甲羅を乾かせばいい」と思う人もいるのかもしれませんがそれは勘違いです
甲羅干しで重要なことは「全身乾燥」です
皮膚が水に浸かったままで乾燥できない状態が続いてしまうと簡単に皮膚病などの病気になってしまいます
必ずしっかりと水から出た陸地が必要です
それにしてもこれは酷い…
陸地がぬれている
水の中に沈んでいる論外な陸地(??)よりはましかもしれませんが常に濡れている陸地もアウトですね
これも体をしっかりと「全身乾燥」させることができないのが理由です
レンガのように水を吸いやすい材質のものでも水からしっかり出ていればまだいいのですが陸地がギリギリ水面から出ているような状態はいいとは言えません
このタイプの陸地もよく見かけますね…なんでそんなギリギリまで水を入れてしまうのか
そんな状態でフィルターを使っているパターンもあります。フィルターから出た水は飛び跳ねるし水面は波打って陸地はびしょびしょ,甲羅干しをしようと陸に上がっているカメもびしょびしょでやっぱり皮膚病
フィルターはいいから全身の乾燥が優先!
この画像にあるような水を吸いにくい表面が乾く平たい石をレンガの上に置いたりするなどの工夫が必要です (ホームセンターで100円くらいで売っています)
写真を撮ろうとしたらカメが水から出たり入ったりを繰り返したのでこの時点では濡れていますが日光に当たれば表面は乾きます
水面から十分離れていればいいですが砂利や砂でつくった陸地も甲羅干しには向きません
例えばこの画像のようにレンガも砂利でつくった陸地もびしょびしょに濡れていては全身を乾燥させることはできないですね
濡れすぎです
ライトも紫外線ライトしかないのでこれでは全身乾燥は難しいですね
ニホンイシガメの子亀をこんな環境で飼い続けると簡単に皮膚病になってしまいますよ
陸地が小さい
しっかり水面に出ていて表面も乾いている…でも小さくてカメがちゃんと上に乗れないような小さい陸地
不十分です
脚や尾を水につけないようにうまくバランスをとって甲羅干しできるカメもいるかもしれませんが,それがうまくできないと体が水に浸かってしまいます
水に浸かってしまったら甲羅干しになりません
大きめの石をひとつ入れておくだけでも十分なのでまずは全身を乾かせる陸地を用意してください
いろいろ材料を買い揃えて手作りの凝った陸地をつくったりするのもいいですが,やるとしてもそれは余裕がある時にしましょう
しっかり水面に出ていて表面も乾いている,そしてカメが安定して乗れる陸地に変更してあげてください。甲羅干しくらい楽にできるようにしてあげましょう
ライトがない 日光も当たらない
これも論外ですね
せっかく「しっかり水面に出ていて表面も乾いている,そしてカメが安定して乗れる甲羅干しにぴったりな陸地」を用意してもライトもなければ日光もないようではダメです
屋内で飼育するなら「紫外線ライト」と「バスキングライト(保温)」の両方が必要になります
ライトを取り付けるクリップスタンドもそれぞれのライトに必要です
紫外線に当たることでカルシウムの吸収を助けるために必要なビタミンD3をつくり,保温することで体温を上げて活発に動けるようになり体を乾燥させることもできます
ただ明るくするためのライトではないことに注意してください
カメ(生き物)を飼うのってそれなりに費用がかかるんです。でもちゃんと設置しないと特に子亀だとすぐ病気になってしまいます
もしそれを用意するのが難しいなら別の容器に移すなどして日光に当てることになります
しかし屋外で日光に当てるなら,特に夏は必ず日陰をつくるなど注意することが多くなるのでこちらの記事を参考にしてください
あとは季節を問わず外敵に注意です。外敵にはカラスやアライグマがいます
「カラス?まさか?」と思いますか?
来ることがあるんですよあの鳥,どこで見られてるかわかりません
アライグマも「まさか…」と思われそうですが実はアライグマは住宅街に出没します
どちらもある日突然何の前触れもなく現れるのでたちが悪いです。カメを屋外に出す場合はこの外敵にも注意してください
角度が急で登れない
しっかりと甲羅干しができる陸地あっても登れなかったら意味がありません
例えば垂直のレンガのようなものです
なんとか登れる場合もありますが柔軟性のない甲羅をもったカメにとって簡単なことではありません
陸地より低い足場になるものを水の中に置いてあげてください
カメにとって良い陸地
なかなか酷い陸地を紹介してきましたがここで逆にどんな感じだとカメにとって良い陸地なのか紹介します
そんなに複雑ではありません
- カメが全身を乾燥させることができる
- 陸地がしっかり乾いている
- ライトか日光がしっかり当たる
- カメが登りやすい
こういう感じの陸地をつくって甲羅干しで全身乾燥できるようにしてあげてください
濡れっぱなしは皮膚病などの原因になり危険だということを覚えておいてください
まとめ
水棲のカメを飼っている人の中には甲羅干しを軽く考えている人もいるようです
けっして甲羅干しは「リラックスするための日光浴」とかそんなもんじゃないんです
少し大げさかもしれませんがカメにとってしっかりと甲羅干しができないことは命に関わることなんです
水の中でも活動するカメですが全身乾燥させることがとても重要だということを忘れないようにしてください
『全身乾燥』で病気の予防を…
陸地以外にも特にカメ飼育初心者が勘違いしやすいこともあるのでそれについてはこちらで紹介しています
コメント