硬い甲羅をもっているカメですがそれでも天敵はいます
そのカメの天敵と言えば主に
- アライグマ
- カラス
- ニンゲン
普段なかなか目にすることがないのでアライグマがカメの天敵だと言われてもピンとこない人も多いかもしれません
しかしアライグマは住宅街に現れカメを襲います
何年も前の話なので記憶があいまいなところもありますが,屋外飼育していたカメが天敵であるアライグマの被害に遭った時の話を紹介します
カメの天敵アライグマ 冬眠中のカメを水から引きずり出す
アライグマの被害にあったのは2月くらいだったと思います。カメが冬眠している時でした
毎年カメを屋外の入れ物(トロ舟)の中で冬眠させていました
上にはフタ代わりにすだれをかぶせ重りとして石を置いていたと思います
毎年そんな感じで特に問題もなく冬眠させてきました
しかし,ある日すだれの上においてあった石が落とされすだれも折れ曲がった状態になっていました
そしてなぜかそのまわりには水の中で冬眠しているはずのカメが転がっているという状況に…
「え?泥棒?」意味が分かりません
カメの天敵アライグマ カメの脚を9本食いちぎる
水の外へ出されたカメはケガをしていました。ケガをしたカメは合計4匹
擦り傷とか甲羅が少し欠けたとかそんなものではありません。それぞれ2本以上脚がないというまったく想像できなかった状態でした
食いちぎられたといった感じで血だらけで骨も見え白いスジも出ているという酷い状況
中でも一番酷かったのはミドリガメで,生きてはいたものの左の後ろ脚を1本だけ残して他の全ての脚が食いちぎられていました
4匹とも甲長約15㎝くらいのある程度大きいカメで硬い甲羅があるため脚を食いちぎっていかれたようです
「甲羅あるのに?」と思うかもしれませんが甲羅にに引っ込んだところでそれなりに大きな相手の前では大した防御になりません
腹甲を動かしてフタにして箱状になって防御するハコガメとは違ってニホンイシガメなどのカメは脚が露出してますからね
(ハコガメもフタになった腹甲をこじ開けられたら終わりですが…)
今までそんなことが起こったことはなかったので完全にパニックです
残った脚が1本とかどうしろと…?
天敵アライグマの被害に遭ったカメ 病院で手術
カメを診てくれる病院を見つけることができたのでそこへ連れて行きました
傷口から出ていた白いスジは神経だったようで,その神経と骨を切除して傷口を縫い合わせてもらったりしました
1回だけでは終わらず,しばらくしたら傷口から少し出てきた骨をまた短くしてまた縫ってそして抜糸をして…と
何回通院したのかわからないくらいです
一番ケガの酷かったミドリガメは消毒中など特に痛そうにしていました
重症のカメ 冬眠を中断して治療
水なしで治療
それまで冬眠をしていましたが治療をつづけるためにまずは冬眠を中断しないといけません
病院でアドバイスをもらいながら治療開始です
今まで寒い所で眠っていたので急に温度を上げることはできないので何日かかけて少しづつ慣らしていきました
急激な温度変化になるので保温用のバスキングライトもしばらくなしです
(バスキングライトをつけるなどの急激な温度変化を与えたら死にます)
傷口を濡らすこともできないので水にもしばらく入れません
水棲のカメは甲羅干しで体を乾燥させないといけませんが乾燥させ過ぎはよくありません。本来は水と陸を行き来する生き物なのでどちらかだけでは体に悪影響が出てしまいます
(例えば一日に少しだけ水に入ってあとは家の中で放し飼い,みたいな飼い方です)
しかし,こんな感じで非常時ならさすがにそんなことは言ってられません
カメが入院している間に,使っていなかった水槽をセットして一カ所だけを温めるバスキングライトではなく水槽内全体を温める「赤外線ライト」を用意
水槽のまわりを発泡スチロールで覆って温まった空気がなるべく冷えないようにするなどの対策をとりました
治療中の飲食
飼育されているニホンイシガメなどの水棲ガメは普段,わかりにくいですが飼育容器の中の水を飲んでいます
しかし水がない状態で治療中のカメにはスポイトで口に水をたらしたりコップの中に頭を突っ込ませて飲ませていました
ケガも少しマシになってからはリクガメがするように温浴(ぬるま湯)をさせて水を飲ませ,その時にそれまでほとんど食べることができていなかったエサをあげてみたりもしていました
まずはよく食べそうな火を通した鶏肉,バナナ,乾燥エビ,食べるのに慣れてきたらカメ用の人工飼料も,と言った感じです
温浴をすることで水分補給とエサ,それに排泄も
この時にバナナをよく食べたのはニホンイシガメでした
このニホンイシガメは飼いはじめた時にバナナ好きにしてしまいましたが好きなものを把握できていると,こういうとにかく何か食べさせた方がいい時に助かります
カメ用人工飼料を食べさせるきっかけにもなったりします
カメ用の人工飼料を食べさせた方法はこちらの記事で紹介しています
何年かたって犯人ほぼ確定
病院では犯人は多分イタチで,もしかするとアライグマ?ではないかと言われました
それを聞いてもアライグマを全く見たことがなかったので「じゃあやっぱりイタチか…」と思いました
でもそれにしてもケガが酷すぎて誰か人間にやられたと言われた方が納得いく状況でした
犯人がわからないまま何年かたったころ「こいつ絶対あの時の犯人やろ…!!」と確信させるできごとが
アライグマが現れたんです
住宅街で,しかも2回
イタチがやったにしては大きすぎたあの時の被害,思っていた以上に大きいアライグマの姿
それを見たことと,この頃ニホンイシガメがアライグマの被害に遭っているという話を聞くようになっていたこともあって
「こいつしかいない」と思いました
まさかこんなところに出没するとは…
思った以上にでかい カメの天敵アライグマ
画像を載せるのは不愉快ですが…ちょうどよさそうなものがあったので
大きさはネコの2倍以上で丸々太った体,尻尾には特徴的な縞模様
これだけ大きければカメの脚を9本程度食いちぎっていくのも,重りとしてのせておいた石をどかすのも簡単にできます
実際にアライグマが現れたことにも驚きましたがその大きさにも驚きました
その丸々太った大きな体を見て思ったことは「え?…これ誰か餌付けしてんの?」
なんかイメージしていたものより大きく毛並みも良いように見えました
…まさか本当に誰かが??
住宅街にいた カメの天敵アライグマ
カメの仇を撃つ間も,証拠写真を撮る間もなく逃げていきましたが…とうとうこの時に憎々しい犯人の姿を見ることができました
外来種として日本にアライグマが棲みついているという話は何となく聞いたことはありましたが,実際には一切そんなものを見たことのなかったこちらとしては
「いても山とかの郊外なんやろうなぁ」くらいにしか思っていませんでしたが住宅街に出没するとは…
あんなでかい動物が住宅街のどこに紛れ込んでるのか
そしてこの2回,目撃した時の被害はニホンイシガメの子亀が1匹,跡形もなく
もう1回はネコが無謀にもアライグマ相手にいかくしていましたがこちらは被害なしといったところでした
カメだけでなくネコがアライグマに噛みつかれることもあるそうなので危なかったと思います
大ケガをしたカメのその後
死んでもおかしくない大ケガをした4匹のカメですが少しづつ回復していき最終的には全員動き回れるようになりました
一番ケガの酷かったミドリガメは残った1本の脚でそれなりに動き回れて自力でエサも食べられるくらいです
他の3匹は脚があるのと変わりないくらいに動き回れます
ケガをした半年後くらい,ミドリガメは長い間まともに水に入れなかったことが影響したらしく久しぶりに水に入れた時は浮いたままで沈むことができない状態でした
クサガメの甲羅は乾燥のしすぎで一部が白くなり,ちゃんと脱皮ができていないようでした
やっぱり水棲ガメは自由に水に入れる環境で飼育しないとこんな感じで体に影響が出てしまうということですね
カメにとってはかなりたいへんな期間でした
酷い状況にもかかわらずなんとか全員が生き延びることができたのはカメを丁寧に診ていただける病院があったおかげです
その病院がなければ誰も助からなかったと思います
まとめ
アライグマは現在全国で見られるくらい生息域が広がっていると言われています
被害に遭ってもカメを診てくれる病院があればまだマシかもしれませんがないとどうしようもありません
住宅街にも出没するのでカメの屋外飼育は十分注意してください
以上,少しあいまいなところもある昔の話ですがアライグマによるカメへの被害や治療などについてでした
カメの天敵,他にはカラスも注意です
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