水棲のカメ (ニホンイシガメ,クサガメ,ミドリガメなど) が普段どおり甲羅干しをしているだけだと思っていたら1日中ずっと陸に上がったままで水に入らない…
水槽などで飼育されている環境で特に何もないのに1日中ずっと陸にいるということはあまり考えられません
普通は陸に上がったり水に入ったりを繰り返すのでこんな時はさすがに何か原因がありそうです
この場合…
- 他のカメにいじめられている
- 水が汚すぎる
- 水温が高い
- 体調不良
こういった理由が考えられます。と,なると解決するためにやることは限られてきます
20年以上のカメ飼育の経験をもとにカメが水に入らない時に考えられる原因と対策を紹介します
カメがずっと陸にいる原因:他のカメにいじめられている
カメを複数同じところで飼育しているとケンカをして噛みつくことがあります
すぐに終わればいいですがカメの性格によっては相手をしつこく追い回す場合もあります。しつこく追い回されたカメは避難するため陸地に上がります
もし毎日のように攻撃されれば陸地にいる時間は長くなっていきます
対策:分けて飼育
他のカメに噛みつかれていじめられている場合はケガをしてしまう前に飼育容器を分けるしかありません
ケガをしてしまったらその部分から血が出たり傷口の色が白くなったりして目立ってしまいます。傷が目立つとさらに余計に噛みつかれやすくなるので酷くなる前に早めに分けるようにしましょう
「そんな気の荒いカメは飼ってないけどなぁ…」と思うかもしれませんが,国内でもよく飼育されているおとなしいイメージの「クサガメ」は実はかなり気が荒いカメです。複数飼育には気をつけた方がいい…というかできるだけ単独飼育にした方がいいですね
どのカメがクサガメなのかいまいちよくわからない…という場合はこちらを参考にしてみてください
クサガメを悪く言うつもりはないと言っておきますが…20年以上クサガメを飼育してきた経験からクサガメは他のカメに対して攻撃的なカメだということが言えます
他の種類のニホンイシガメ,ミドリガメが相手であっても追い回したり噛みついたり,陸に避難している相手にも噛みつこうとすることもあります
個体差もありますが複数飼育には向きません。人に対してはおとなしいんですが…
でも何もクサガメだけが他のカメに対して攻撃するわけではありません
ニホンイシガメやミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)なども他に一緒に飼っているカメがいると噛みついてしまうことはあるので,もし複数を同じところで飼っている場合にずっと陸に上がって水に入らないカメがいるならよく観察してみてください
複数飼育に特に向いていないクサガメについてはこちらの記事を参考にしてください
カメがずっと陸にいる原因:水が汚すぎる
汚れすぎる前にちゃんと定期的に水かえはしていますか? 水が汚すぎると陸に上がって水に入ろうとしなくなるカメもいます
カメは基本的には水の中でエサを食べて糞も水の中でします。その糞もそんなにひかえめな量ではありません
その水をかえるのをさぼり放置しておくともちろん水は腐ってしまいます
そんな食べかすや糞をそのまま放置したような腐った水…そりゃ入りたくもなくなります。人間だって汚れたトイレの水なんかに入りたくないですよね?
対策:水かえ (汚れた水は残さず全換え)
対策としては「水をかえる」それだけです。水かえはカメ飼育の基本です。回数は週に2~3回ですが汚れが目立つようならすぐかえるようにします
汚れた水は全て捨てて完全に新しい水に取り替えます。中途半端に汚れた水を半分残してそこに新しい水を足してはダメです
カメは急にきれいな水に変わったところでショック死したりはしません (水温の急変は厳禁)
20年以上ニホンイシガメ,クサガメ,ミドリガメを飼育をしてきて水は毎回全換えしてきましたが,きれいな水に変わったとたんにショック死したり体調を崩したりするようなデリケートなカメは見たことがありません。ニホンイシガメの子亀(ゼニガメ)もそれで問題なく育ててきました
カメが水に入るのを拒否するような水はいくらなんでも汚れすぎなのですぐに全ての水を捨ててきれいな水にかえてください
なによりそこまで汚くないように見えても水かえは必ず定期的にやりましょう
それに目立ちませんが水棲のカメも水を飲みます。どの水かと言えばもちろん普段自分が入っている水なので汚すぎると飲めなくて脱水症状になってしまいます
カメがずっと陸にいる原因:水温が高い
水温が高いと水に入らない場合があります。熱すぎると感じて陸に避難してくれればいいんですが…夏,特に屋外では気をつけてください
水温が高くなる原因としては次のことが考えられます
- 水の量が少ない (甲羅が浸かるくらいの水量×)
- 飼育容器が狭い
- 日陰がない
対策:水温調節
水温はだいたい25℃~28℃くらいが適温です
水温が高い場合はしっかりと影をつくり風通しをよくして水の量を多くします。夏は特に水の量が少なかったり,飼育容器が狭かったりすると水温が上がりやすくなってしまうので注意してください
水温の上昇を防ぐためにもニホンイシガメなどの水棲のカメを飼育する場合は十分な水の量で飼育しましょう。ある程度成長したカメにとって甲羅がぎりぎり浸かる程度の水深ではあまりにも浅すぎます
水の量を多くして飼育する時の注意点などはこちらの記事を参考にしてみてください
カメが溺れることを心配する人もいるかもしれませんがちょっとの工夫でその危険性はなくすことができます
カメがずっと陸にいる原因:体調不良
上で紹介してきたどれにも当てはまらないのに朝から晩までずっと陸にいるようなら体調が悪い可能性が高いですね
もちろん体調が悪くて陸にいる場合は何も食べようとせず水も飲みません
対策:病院へ
そんな状態で何日も様子を見ていても痩せていくだけで良くなる可能性はかなり低いのでこういう場合は早めに病院で診てもらった方がいいでしょう
朝から晩まで一切水に入ろうとしない場合は注意して見ておいた方がいいですが,ただの甲羅干しでしばらく水に入らないのは問題ないので気をつけてください
それは体調不良ではなくて普通の行動です。全身がカラカラになっていてもカラカラに乾かすのは甲羅干しの目的のひとつなので水をかけたりせずそっとしておきます
まとめ
体調不良の場合は病院に行くしかないですが他の原因だとすぐに問題は解決できます
特にカメが入るのを拒否するくらい水が汚れているのはかなり酷い状況だということは覚えておいてください
簡単に病気になってしまいます
以上,カメが水に入らない時の原因として考えられることとその対策についてでした
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