クサガメはおとなしい性格のカメだと言われることがあります。顔の感じからしても確かにニホンイシガメやミドリガメに比べるとおっとりした印象です
しかし,そんな基本的にはおとなしく人にも慣れてくれるクサガメですが注意した方がいい点があるので,20年以上のカメ飼育の経験をもとに紹介していきます
「どのカメがクサガメなのかニホンイシガメなのか何かよくわからない…」という場合はこちらを参考にしてみてください。簡単に見分けられます
「他のカメ」に噛みつく攻撃的な性格
クサガメを飼う時に特に注意したいことは複数飼育をした時の噛み合い(ケンカ)…というか一方的な噛みつき行為です
20年以上カメを飼ってきたのですが飼育しているうちにクサガメは特に複数飼育には向かないカメだということを思い知らされました
まぁ,できるだけ複数飼育を避けた方がいいのはクサガメに限ったことではないんですが…自分の経験として特にクサガメにはそう思わされることがよくあります
このカメはまぁ本当によく他のカメに噛みつきに行くんです
ちょっとした池で飼育していると噛みつくとまではいかなくても,しつこく追い回し池から追い出すことも…
1匹だけだとおとなしい性格なんです(まぁ噛みつく相手がいないですからね…)
人に良く慣れるのでペットとして飼育するには向いているカメです
しかし,そのおとなしいというイメージで他のカメと一緒に飼育してしまうと噛みつきにいく可能性が出てきてしまいます
クサガメ以外のカメにも噛みつく
クサガメが噛みつきに行く相手は同じクサガメだけとは限りません。他の種類のカメにも噛みつきます。例えばニホンイシガメやミドリガメにもです。印象としてはクサガメ同士よりはましかな?といった感じですが…
(この2種以外とは同居させたことがないのではっきりとはわかりませんが…自分より相手が大き過ぎなければ攻撃するでしょう)
最初に「おとなしい性格のカメだと言われることがあります」と書きましたが,それは『人に対して』おとなしいのであって『他のカメに対して』のことではないと思われます
さすがに気が荒いことで有名なカミツキガメのようにあきらかに『人に対して』威嚇して攻撃してくることはまずないので
慣れてきたら指を出せば「エサほしい!」という感じで噛みついてきますが…あれは攻撃とか威嚇ではなくてエサがほしいだけですね。人に慣れている証拠です
クサガメが噛みつく原因
飼育容器の狭さが原因かと思い広めの所へ移してみても特に変化はなくやっぱり噛みつきに行きます (狭いと言っても泳いだりできるスペースはあります)
多少広くなった程度では噛みつきに行くのはやめません。一緒にいるカメの数を3匹から2匹に減らしてみても特に変化はなく噛みつきます
メス同士なのでオスがメスを追いかけ回してその結果噛みついているというわけでもありません
成長したカメなのでさすがに毎日はあげませんがエサはちゃんとあげているので空腹でイライラしているというのもあまり考えられません
(成長したカメに毎日エサをあげるのはあげすぎで肥満の元なので注意してください)
こうなると噛みつく原因はただ「自分以外のカメがいること」なのかもしれません…
クサガメの噛みつき対策は『隔離』して単独飼育
噛みつき対策として考えられることは『隔離』して単独飼育
さすがにそうすれば噛みつくことはできませんからね
他にはお互いの姿が見えないくらいのかなり広い庭での飼育…まぁそんな広い場所はそう簡単に用意できるわけないんですが
ということで当たり前すぎますが「隔離して単独飼育」をすることが対策になります
しかし,もし仕方なくクサガメを複数飼育する場合は最低でも避難できる広めの陸地をしっかりと設置することは忘れないようにしてください
(それでもやっぱりおすすめできませんが…自己責任でお願いしますm(__)m)
陸まで逃げれば攻撃はましになる場合があります。それと広めの水槽(容器)ですね
多少広くしたところで噛みつくことをやめたりマシになったりすることはあまり考えられません…噛みつかれているカメがいるならやはり早めに隔離することをおすすめします
※上の画像のクサガメの脚は切れて短くなっていますがあれは他のクサガメにやられたわけではありません。犯人はクサガメではなくアライグマです
クサガメの攻撃的な性格は治らない
よく噛みつくけどもう少し様子を……見たところで,普段からよく噛みつきに行くカメが噛みつくのをやめることにはまず期待できません。あきらめて噛みつかれている方のカメがケガをしないうちに隔離しましょう
2~3年ほど分けて飼育してみた特に噛み癖の強いクサガメを「もしかしたらこれだけの期間隔離してたから噛むことはないかも…」と思い試しにまた他のカメと一緒にしてみたことがあります
どうなったのかというと……噛みつき追い回しました。即,隔離です
酷いと血が出るまで噛みつきます。そうなればあとはその傷口目がけて集中攻撃がはじまるでしょう
ケガをしたところは色が変わって目立つので,そのためにそこばかりを狙われることになってしまいます
クサガメの性格(個体差)を参考に
カメにも性格(個体差)があります
クサガメの中にもいつまでも相手を追い回すようなしつこい個体もいればそこまでしつこくない個体もいたりと,意外かもしれませんがカメも性格はそれぞれです
特に気の荒い個体は甲羅干し中の他のクサガメののど元に噛みついて水中に引きずり込むというなかなか衝撃的な行動をしたことも…(引きずり込まれただけでそれ以上何かあったわけではないですが)
こんなカメの性格も参考にして飼育方法をいろいろ変えてみるのもいいかと思います
気の荒さ以外にも性格の違いはあります
例えば飼育容器の外を散歩させて観察してみるだけでも違いがわかることがあります
- 食べ物探しに集中してあまり歩き回らない個体
- 水のある方へ歩いていく個体
- 逃げようとしているのかさっさと飼い主から遠ざかっていく個体
…といろいろ違っています
ニホンイシガメも噛みつく場合あり カメはできるだけ単独飼育で
他のカメに噛みつくのはクサガメだけではありません。おとなしいと言われている↑ニホンイシガメですら同じニホンイシガメに対して噛みつくことがたまにあります。クサガメほどではないですが
色が変わり目立っている傷口があればクサガメにも噛みつく場合があります (そういう目立つ傷口には噛みついてしまうみたいです)
あとはクサガメとかニホンイシガメとかは関係なく(成体と産まれたばかりの幼体くらい) 極端に大きさが違う場合は噛みつく…というか食べてしまうことがあります。親亀が子亀を育てる…なんてことはないのでそこは注意です。必ず分けて飼ってください
どんなカメでも極端な体格差は危険です
小さすぎるカメは大きいカメのエサになってしまいます
「共食い」です…カメの共食いなどについてはこちらで紹介しています
まとめ
なんかクサガメに少し悪い印象を与えることになったかもしれませんが決してクサガメが悪いカメだと言うわけではありませんので…
他のカメに噛みつきには行きますが一緒になってゆっくり甲羅干しをしたりもします。さすがに常に攻撃的になっているわけではありません
ここまでは主に自分の飼育経験の話なのでもしかしたら,気が荒くない他のカメに対してもおとなしいクサガメが存在したりする?…かもしれません (…いるのか??)
ただ,他のカメをよく噛む攻撃的な性格をしたクサガメもいるのは確かなので,クサガメを複数で飼育することがある場合は噛みついたり追い回したりしていないかよく観察するようにしておきましょう
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