カメはイヌやネコのように鳴かないのでおとなしいイメージの生き物ですが外に出ようとして暴れる時に甲羅や爪を使って繰り出される音はなかなかのものです
音量というよりはそのしつこさ…
逃げようとして何度も立ち上がり元の体勢に戻る時に ゴトッ!! バタン!!
水槽のようにツルツルではない飼育容器の場合は爪を立ててカリカリカリカリカリカリカリ…
これをいつまでも続けられるとさすがにストレスです
20年以上のカメの飼育経験をもとにカメが全身を使ってうるさく暴れる時の原因と対処法の紹介をします
カメが暴れる原因:エサがほしい
カメは人の姿が見えるとエサがもらえると思って水の中でバシャバシャ暴れはじめてしまいます
その日すでにエサをあげ終わっている場合でもよほど満腹な状態でもない限り欲しがることがよくあります
対策:目隠しをする
エサをほしがって暴れているのでおとなしくさせるためにエサをあげる…ではなく水槽飼育でカメからこちら側が見えてしまっている場合は見えないように一時的に水槽の前に物を置いたり紙を貼ったりして目隠しをしてしまいます
しばらくはバシャバシャやっていますが人が見えなければあきらめてそのうち暴れなくなります
エサをほしがっているならエサをあげればいい…ってものではありません。暴れるたびにエサをあげていたらあっという間に太ってしまうので注意してください
ニホンイシガメやクサガメでエサを毎日あげていいのは子亀のうちだけです
カメが暴れる原因:水が汚れている
水が汚れているとその汚れた水から逃げるために暴れる場合があります
対策:水換え
これは暴れるカメの対処法というかカメ飼育の基本ですが…とにかく水を換えましょう。カメが暴れるくらい水が汚れているのはさすがに水換えのさぼりすぎです
- 暴れるくらい汚れていなくても
- フィルターを使っていても
- ぱっと見透き通った感じでまだきれいそうに見えても
たとえこんな状態だったとしても必ず定期的に水換えを!!
カメの数,水の量にもよりますが週に2,3回くらいでしょうか
魚の水換えのように水を半分だけ残してそこに新しい水を足すのではなく残さず全部換えます。全換えです。きれいに全部換えましょう。飲み水になる水ですからね
カメが暴れる原因:狭い
水槽などの飼育容器が狭いのもカメが暴れる原因のひとつです。のんびりしたイメージのカメですが水中でも陸地でも実はよく動き回ります
飼育スペースが狭いと動き回ることができずにストレスになり逃げ出そうとしてしまいます
対策:水の量を増やす
飼育容器を大きくするのはもちろんですが他に水の量を増やすという方法もあります
…というか泳ぎの下手な子亀や体調が悪かったりケガなどが理由でうまく泳げない個体でなければ普段から泳げるくらいの水深で飼育するようにします
水棲のカメは泳ぐ生き物であるにもかかわらずなぜか「水の量は甲羅が浸かるくらいでの量でいい」なんて言われることがありますがそれは小さい子亀の話です。成長した個体には当てはまりません
成長しても泳げないくらい水を浅くして飼っていると動ける範囲が限られてしまい,それが肥満やストレスの原因になってしまいます。泳げるくらいの水の量にすることで動ける範囲が広がって運動にもなります
溺れる心配があるという場合はこちらの記事を参考にしてください。水棲のカメは川や池で泳いでいるような生き物です,ちょっとしたことに気をつければまず溺れることはありません。
水が少ない状態で暴れられるとゴトゴトガタガタとうるさくなってしまうわけなので水を多くすればその音を抑えることができます。かわりにポチャポチャになるかもしれませんがだいぶましです
ニホンイシガメやクサガメなどは泳ぐカメなので普段から泳げるような水量で飼ってあげましょう。これだけで暴れる原因とうるさい音を抑えることができ,ある程度の運動にもなります
ただし,むやみに水を増やせばいいわけではないのでそこは注意してください
対策:散歩をさせる
飼育容器から出して散歩させるという方法もあります。急にいつもと違う環境になってしまうのでこれがストレスになってしまわないか気になるところですが…
注意点は
- 意外と動きまわる
- 小さめのカメだと草などに紛れると見失いやすい
- 高さがある壁でも爪がうまく引っかかれば登っていく
- 地面が熱くないか確認 (夏は注意)
- カラスなどの外敵に注意
- 糞をすることがあるので散歩後は清潔に(室内散歩の場合は特に)
屋外での散歩の場合は特に目を離さないように十分注意してください
カメが暴れる原因:日光浴がしたい
窓際に水槽を置いてはいるものの日光に当たれないような場合に出ようとして暴れます
屋外飼育の場合でも晴れていて明るいのに自分のいるところは影になっていたりすると飼育容器から出ようとします
対策:ライトをつける
これもカメ飼育の基本ですが,十分に日光を当てることのできない室内飼育の場合は「紫外線ライト」と「バスキングライト」を使用します
こんな感じで2種類のライトを水槽に取り付けます
このライトをつけて陸を照らせばそこで甲羅干しができるので日光に当たるために出ようとして暴れることはありません
注意点はただの蛍光灯で明るくしても意味はないということです。使うのは爬虫類用の「紫外線ライト」と「バスキングライト」です
そしてこの2つのライトを点灯させ水槽に設置するためのクリップスタンドも2つ必要になります
どちらかひとつではなく両方必要なので注意してください。ケチってどちらかひとつだけしか使っていないと病気になってしまいます。特に子亀は簡単に病気になります
対策:日光を当てる
日光に当たりたくて暴れているわけなので別の入れ物に移すなどして日光に当てます。
注意点は暑すぎると熱中症で死んでしまうので必ずすだれのような風通しのいいものでしっかり日陰をつくるようにします。カメは特別暑さに強い生き物ではありません
あとは日光浴をさせていることを忘れないようにすることですね
室内飼育で普段からしっかり2種類のライトを使っている場合でも週に何度かは日光に当てるようにしてください。一番いいのは人工の光ではなく太陽の光です
カメが暴れる原因:産卵したい
成長したニホンイシガメ,クサガメ,ミドリガメなどのメスは6月上旬くらいになると産卵をするために外へ出ようとして落ち着きがなくなり暴れるようになります。メスを1匹だけで飼っていても産卵することはあります
飼っているカメの性別を確認してみましょう
対策:土のあるところへ移してみる
土のあるところを歩かせてみると穴を掘って産卵をはじめる場合があります。穴を掘るのも産卵するのも終わるまでにはかなり時間がかかるので注意です
産卵中のカメには触らず静かに少し離れてそっと様子を見るようにしてください
衣装ケースなどの大きめの入れ物に,穴を掘ってもさらさらと簡単に崩れてしまわないような土を入れてそこにカメを入れて様子をみるという方法もあります
カメは後足を伸ばしてみて足が土に届かなくなるまで掘り続けるので土の深さはそれなりに必要になってきます
カメが暴れるその他の原因と対策
うるさかったり,夜になっても明るかったりするとカメは落ち着くことができずそこから逃げようとして暴れる場合があります
まぁこれは人間でも同じことですね,そんな落ち着かない環境からは逃げ出したくなっても仕方ありません
静かにして夜はライトは消してカメが落ち着けるような環境で飼育しましょう
このライトというのは上でも説明した「紫外線ライト」と「バスキングライト」はもちろんですが部屋の照明もですよ
まとめ
以上がカメが暴れてうるさい時の原因と対処方法でした
なんでカメが暴れているのか原因を考えてみてカメも人間もなるべくストレスを感じずに過ごしたいですね
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